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Hirose, Tsutomu/広瀬勉

広瀬 勉(1965〜)は、日常の中にありふれていながらも、実際には見落としがちなイメージを、漆黒のモノクロームに焼き込み、見る者の無意識の領域を揺さぶる鮮烈な作品で知られる写真家です。1980年代半ばから精力的に個展を開催し、グループ展にも多数出品。個人誌『型録』を長きにわたり発行するなど、そのインディペンデントな活動は、近年注目を集めています。

略歴

1965年、名古屋市守山区に生まれる。1984年愛知県立中村高校卒。翌年、美学校・考現学工房で赤瀬川原平に学ぶ。森山大道のワークショップ(フォトセッション‘86)に参加。1989年、早稲田大学第一文学部を卒業、本格的な作家活動に入る。個展、グループ展など多数。2011年、東京・高円寺に『バー鳥渡』を開店、月2回の掛け替えで写真展を開催中。。写真集に『塀帳』(トムズボックス)がある。

《展示景》 シリーズ〈徳山君の部屋〉より 1988

友人が居住するアパートの一室を「生活者の居る四畳半展示室・徳山館」として一般公開したプロジェクト。壁面、天井、床の全六面を白黒フィルムで複写、ほぼ原寸大に引き伸ばしたプリントが元の場所に掲示されている。見学者は電話予約の上、徳山雅記氏とJR高円寺駅前で待ち合わせ、入口で靴を脱いでキッチン・トイレ共同の部屋へ誘われた。同氏は約2ヶ月の展示期間中、家財のすべてを押し入れと天井裏に収納し、写真だけに囲まれて生活した。

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《展示景》 シリーズ〈穴あきブロック実大写真展〉より 1988

街角の塀に配された装飾穴あきコンクリートブロックの写真が、190×390mmの実物大に引き伸ばされ展示されている。1986年に「路上観察学会」の錦糸町西武百貨店における展示で初めて発表、赤瀬川原平に『写真時代』誌上で激賞された。1989年、渋谷「FOTO DAIDO」(森山大道のプライベートギャラリー)での初個展など、全国各地での展示歴がある。

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『バー鳥渡』

杉並区高円寺北2-4-8-2F
03-3338-3331
夕方7時頃〜翌朝2時頃/火曜定休
お通し600円/ドリンク400円〜
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『猫の塀、渡る鳥。』広瀬 勉 写真展

10月25日(木)〜11月4日(日)
[10月29日(月)休館]
10:00〜19:00(入館18:30まで)※最終日17:00まで
愛知県・清須市はるひ美術館
052-401-3881


広瀬勉

猫の塀、渡る鳥。

2012.10.25